入賞作品

第4回 : エコロジカル・パーク

現在、時代の流れは分類から統合、分化から総合へと推移してきている。インタージャンルという言葉が使われだしているのも、同じ流れであるといえよう。エコロジカルという言葉もまた、生物の生き様を、個別的にだけではなく、時間的・空間的に広い裾野からトータルに眺めようという意味を含んでいる。生物は、植物だけ、動物だけ、昆虫だけ、魚類だけで生きているのではない。それぞれの気候風土の中で、異なったライフサイクルを持ちながら、それぞれが相関し合って生物界が構成されているのである。相互依存から弱肉強食まで、そこには自然界の法則が厳然と支配している。十九世紀からの分類学的生物学は、複雑に絡まり合った自然生態を解きほぐして分類し、それぞれの種類を個々に究明することに努めた。それにより科学的に大きな成果を挙げることができたのはいうまでもない。その結果の一つが、現在、動物園、植物園、水族園、昆虫園などといった施設として社会教育的な役割を果たしているのである。しかしさまざまなレベルでの再統合、総合が積極的に行われ始めてきた現代、分類学的体系の上に計画されたそれらの施設を統合した「エコロジカル・パーク」が考えられてよいのではなかろうか。

今回の課題は、そうした、多様な展開を見せながら計画されていくであろう「エコロジカル・パーク」である。箱庭的規模のものから地球規模のスケールのものまで、自然をそのまま含み込むものから人工的極地環境などを都市の中の施設としてつくるものまで、多くのバラエティと可能性が考えられよう。動物園など既存の施設をリフォームすることも考えられる。それらの設置条件は応募者各自が自由に想定してよい。ただし、環境計画的配慮が、生態系保持と観客の快適環境との両面から、当然、重要な課題となるであろう。このコンペの主旨に沿って、その設備計画のコンセプトも提示してほしい。創造力あふれ、豊かな環境を導く応募案が数多く寄せられることを期待している。

審査委員

審査委員長
槇 文彦(槇総合計画事務所代表)
審査委員
内井昭蔵(内井昭蔵建築設計事務所所長)
小倉善明(日建設計東京第一事務所所長)
木村建一(早稲田大学教授)
紀谷文樹(東京工業大学教授)
六角鬼丈(六角鬼丈計画工房所長)
田和恭介(東京ガス空調営業部長)
コーディネーター
馬場璋造(株式会社新建築社 編集担当役員)
審査委員紹介

(敬称略)

※こちらのページに表記されている各委員の所属・役職は当時のものになります。

最優秀賞(1作品)

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並木裕、高橋一郎、清水保次、近藤正子、丸山玄、桑野恭子、蕪木伸一、友沢孝、松島昭、平賀信孝、上野武、藤井正紀、安田直子、村上直美、芝祐仁、名兒耶晃

優秀賞(3作品)

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    夏野剛、児山靖、山城耕司、田中一史、武田晃成、樺山豊久、山東美和子

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    岡本直、黒崎幸夫、高木春生、佐武良祐、吉井功、佐藤隆史、成重和徳

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    渡辺敏行、八木佳、山口芳子、長谷川俊雄、相楽典泰、戸塚秀雄

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