入賞作品

第6回 : 津久井サテライトエリア計画

二十一世紀へ向かって、国際的情報基地の役割を果たすべき都市、東京・横浜を中心としたわが国の首都圏は、これからどのような変貌を遂げていくのであろうか。
すでにさまざまな構想が打ち上げられているが、いずれもその巨大化する都市機能をいかにコントロールするか、そして現代文明と人間生活の新たなる関係をいかに構築するかが、そのポイントとなっている。しかしそれは、ただ都市機能を抑止するだけの計画であってはならない。現在、住・職・遊の、かつてなかったようなダイナミック・バランスが可能になっている。それを望ましい方向へ誘導していくためのコントロールこそが必要なのである。わが国の首都圏は、その国際的実験都市の投割を担っていることを知るべきである。経済優先社会の破綻が見え始めている現在、都市・建築の設計関係者は、専門的立場から積極的にそうした社会的課題に取り組み、そのダイナミック・バランスの解答を提示する責務があることを自覚すべき時ではなかろうか。

今回の課題「津久井サテライトエリア計画」は、都市から車で一時間半、豊かな自然に恵まれた神奈川県津久井町で建設が進んでいる宮ヶ瀬ダムの湖畔に敷地を設定して、国際的実験都市である首都圏との関係において、いかなる施設が立地しうるかを問うものである。施設の内容は、当然、住・職・遊のいずれかを主体とするか、あるいはその組み合わせとなるであろうが、総花的計画ではなく、この地の未来を見据え、この地に特化された提案であってほしい。さらにサテライトエリア計画といっても、首都圏から見ればこの地はサテライト的位置関係にあることは確かだが、この地を中心に考えれば、首都圏はこの地に欠ける要素を充足してくれる場所である。そうした視点も見落としてはならない。これはこのまま実現するプロジェクトではないが、実現しうるだけのリアリティを持ち、実現へのインパクトをはらんだ提案であることを望みたい。明日の豊かなサテライトエリアのあり方を描く応募案が寄せられることを期待している。

審査委員

審査委員長
池原義郎(早稲田大学教授)
審査委員
伊藤直明(東京都立大学教授)
鈴木エドワード(鈴木エドワード建築設計事務所代表)
原 広司(東京大学教授)
村尾成文(日本設計副社長)
村上周三(東京大学教授)
秋山哲郎(東京ガス専務取締役)
コーディネーター
馬場璋造(建築情報システム研究所代表)
審査委員紹介

(敬称略)

※こちらのページに表記されている各委員の所属・役職は当時のものになります。

最優秀賞(1作品)

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田中英夫、北典夫、高橋敏美、徳永昌彦、渡部裕一、大橋清文、仙波武士、横山淳一、吉本英二、近藤祥文、水谷由紀子、平藤里香

優秀賞(3作品)

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    吉田佳之、江波戸宏、林健太郎、長沼克拓、黒谷哲也、浅井直之、青木香織、内田孝、古川真、茅野秀則、中久喜康秀、尾身武彦、奥田清明

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    田沢典弘、岩渕洋介、岡里潤、高倉正美、金沢俊邦

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    小嶋敏男、竹田勉、坪根みさ子、神宮司隆、美島康人、橋本修、小笠原治、河野美雄

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