入賞作品

第11回 : 新しいタイプの都市公園

都市での生活を豊かでうるおいのあるものにするために、公園は重要な都市施設である。都市の魅力は、高度化された人工環境であり、その中での多彩な人やもの、情報との出会いである。しかしそこに欠けがちな自然との触れ合いを補完する役割を都市公園は持ち、都市生活を人間的なものとするための必要条件にもなっている。
そうした視点から、わが国においても、かなりの数の都市公園が設置されている。そうした既存の都市公園が本当に魅力あるものとして機能しているであろうか。わが国の都市公園の使われ方は、欧米に較べるとまだまだその効果が十分に発揮されていない。それは人間と都市公園との付き合いの歴史が浅いゆえでもあるが、ステレオタイプ化されたマニュアルどおりの整備が続いているからでもある。一方ではアトリウムなどが盛んにつくられるようになっており、それにはそれなりの意義はあるが、都市公園とは別物である。
新しいタイプの都市公園が求められる所以である。それは、現在そしてこれからの都市生活のあり方を考えるところから始まるであろう。
ダイナミックに進展を続ける情報化社会のネットワークの中で、都市公園はどのような位置を占めるのであろうか。広大な緑との接点は郊外に求めるとして、仕事にしろ、遊びにしろ緊張を求められる都市生活の癒しを身近に得られ、天候に左右されず憩えるような、施設化された都市公園も一つの解決法かもしれない。またエコサイクルの視点から、ゴミ焼却場とリンクした都市公園が考えられるかもしれない。あるいは、一見小さな自然そのままであるが、裏側にはハイテクが装備された快適な都市空間の一つとしてのあり方も考えられよう。
ここで求めるのは、盛り沢山な提案や既視感のあるデザインではなく、都市の中で人間を取り戻せるような都市公園の新しいタイプを考え、それをデザイン化した提案である。そしてその都市公園が十分に機能するような、設備的システムの提案も同時に求めたい。 チャレンジャブルな応募案を期待している。

審査委員

審査委員長
黒川紀章(黒川紀章建築都市設計事務所代表)
審査委員
石山修武(早稲田大学教授)
大野秀敏(東京大学助教授)
小玉祐一郎(建設省建築研究所第5研究部部長)
中島康孝(工学院大学教授)
中園正樹(松田平田社長)
長屋 勝(東京ガス理事・都市エネルギー事業部長)
コーディネーター
馬場璋造(建築情報システム研究所代表)
審査委員紹介

(敬称略)

※こちらのページに表記されている各委員の所属・役職は当時のものになります。

最優秀賞(1作品)

best_img01

浅利徳男、沼田和清
[協力]渡辺昌之、川合英介、浜内孝英

優秀賞(3作品)