入賞作品

第14回 : 空き地のデバイス

高密度、高度利用が志向されている現代都市の中でも、思いがけない空白の空間が生じることがある。バブル経済の崩壊後、そうした空き地が都心でも目立つようになってきている。いずれは恒久的な建築がつくられるのであろうが、何らかの都合で、数年間は未利用のまま放置されている土地である。駐車場として使われているところもあるが、それは仮の利用形態である。仮囲いのままのところもある。
整備された公園や広場は別にして、未利用の空き地は、都市の連続性やアメニティを阻害する要因となっている。都心の安全性といった視座からも好ましいことではない。人びとが行き交い、賑わいがあってこそ都市は活性化する。
そうした空き地を、未利用の期間に限定して、都市のアクティビティを高めるために活用することができるのではなかろうか。恒常的な所有形態から離れて、最もその場所に相応しい利用の仕方を考えることができるからである。それが今回のテーマ「空き地のデバイス」である。デバイス=deviceを「装置」と読んでも「仕掛け」と読んでも「計画」と読んでもよい。そこに何かを現象させることで、その周辺の都市環境が好ましい状況となることをデバイスするのである。
その空き地は都市のどのような場所にあっても、大きな空き地でもすき間のような小さな空き地でもよい。応募者は自ら状況を設定し、それに対しての提案をしてほしい。またそうした場所であればなおのこと、その空間の利用に見合った設備計画も重要となるであろう。期間限定ではあっても快適な室内環境でなくてはならないし、省エネ対応にも新しい工夫が望まれるところである。環境計画を利用計画の対として考えたい。
新しい世紀の都市を活性化させる手法の一つとしての「空き地のデバイス」を、豊かなイマジネーションで提案されることを期待している。

審査委員

審査委員長
原 広司(東京大学名誉教授)
審査委員
岡 建雄(宇都宮大学大学院教授)
栗生 明(千葉大学教授)
柴田寛二(山下設計社長)
團 紀彦(團紀彦建築設計事務所代表)
松縄 堅(日建設計取締役)
長屋 勝(東京ガス理事・都市エネルギー事業部長)
コーディネーター
馬場璋造(建築情報システム研究所代表)
審査委員紹介

(敬称略)

※こちらのページに表記されている各委員の所属・役職は当時のものになります。

最優秀賞(1作品)

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浦俊弥、加古藤郁、八木崇

優秀賞(3作品)

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    久林正晴、宮下信顕、多田聡子、藪崎達哉、内田孝、川東亨和、松田泰子
    [協力]勝澤康一、岩崎雄吉

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    土井原泉、高森和志、比留間基晃、太田浩司、藤村正、小林礼一

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    清水貞博、松崎正寿、藤村淳一

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