入賞作品

第15回 : 都市インフラに支えられる組立式住宅キット

現在六十億人といわれる地球人口は、二〇三〇年には百億人を超えると予測され、そのほとんどが開発途上国での人口増である。そしてその過半数が都市に住むことになる。しかし開発途上国の大都市では、現在でも家を持たない人びとが圧倒的多数であり、それはさらに増幅されるであろう。先進国の大都市でも、社会からはみ出した非定住者の増加がみられる。そうした地球規模の都市時代への対応として、かつての理想とはまったく違った都市と都市居住のあり方を視野に入れなければならない。地球の未来はばら色だけではないのである。人口増や資源枯渇に直面する責務を先進国は負わねばならない。その一端として、いままで目を向けていなかった都市居住のシビアな側面に、何らかの提案ができないだろうか、というのが今回の課題趣旨である。
対象とする都市は、人口増にあえぐ開発途上国の都市を念頭に考えたい。それらの都市に集まる人びとにどのような居住環境を提供できるであろうか。その現状をベースにして、どのような機能、規模、材料による組立住宅キットが適切であろうか。近未来に実現可能な提案を望みたい。
東京など日本の都市を想定してもよいが、日本の都市であるならば、不時の災害時の応急住宅群として考えることができよう。ガス、電気、給排水などエネルギーのインフラを整備する地区を想定し、そこで個人個人が支給された住宅キットを自由に組み立ててインフラにつないで住み始める。あるいはそれらが積層して集合することが可能なような住宅キットのあり方とシステムが考えられないであろうか。
そしてインフラも、いろいろなエネルギーを延々と遠くから運んでくるだけではない方策が考えられれば、それはなお趣旨に適うであろう。その都市に相応しい組立式住宅キットと、それらを統合するトータルなシステムを考案してほしい。地球規模の都市時代に寄与できる提案を期待している。

審査委員

審査委員長
原 広司(東京大学名誉教授)
審査委員
伊藤 肇(三菱地所設計常務取締役)
團 紀彦(團紀彦建築設計事務所代表)
古谷誠章(早稲田大学教授)
梅干野晁(東京工業大学大学院教授)
松縄 堅(日建設計取締役)
手塚俊夫(東京ガス理事・都市エネルギー事業部長)
コーディネーター
馬場璋造(建築情報システム研究所代表)
審査委員紹介

(敬称略)

※こちらのページに表記されている各委員の所属・役職は当時のものになります。

最優秀賞(1作品)

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藤本鉄平、藤本純子(大成建設)

優秀賞(3作品)

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    大藪博史、竹内一紘(広島大学)

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    田中信也(千葉大学大学院)、山本学(神奈川大学大学院)、三谷健太郎(東京理科大学大学院)

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    木下昌大(京都工芸繊維大学大学院)

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