入賞作品

第19回 : キャンパスにつくられる子どもスペース

現代社会の変化にともない、大学の役割や意味が変わりつつあり、閉ざされた象牙の塔から、社会に開かれた大学がめざされるようになってきている。大学も地域コミュニティの一員なのである。また幼子を持つ教職員も多くなり、既婚者の学生も珍しくない。安心して教育や研究、勉学に励むことができるために、子どものための施設がキャンパスにつくられてもよいのではないだろうか。欧米諸国では、そうした施設が増えつつある。
それはまた、近隣社会に開かれ、近所の子どもたちも入れる施設である。
少子社会を迎えつつある日本は、幼児期からの子どもの養育は重要な課題である。いままでの保育園、幼稚園といった区分を超えて、新たな「子どもスペース」を求めたい。学齢期前の子どもが、どういう空間でどのように過ごせばよいか、そのあるべき姿を考えてほしい。子どもが自由にのびのびと安全に過ごせるスペースであるととともに、大学の専門に合わせて美術や音楽に馴染ませたり、物語を聞かせたり、算数などの知育を子どもの成長に応じ特化して指導することなどもあってよい。そして教育者を育てるための大学付属幼稚園とは違い、コミュニティに根づいた施設でありたい。
また、その「子どものスペース」には、子どもが健全に成育するための環境条件が求められる。自然との触れ合いがあり、使われる材料は環境ホルモンなどとの関係を考えなくてはならない。さらに環境設備的にも次世代を担う子どもたちに体感を通して教育するとともに、地域コミュニティへ発信する次世代のエネルギー活用やエコロジカルなあり方を積極的に考えてほしい。
キャンパスはどこを想定してもよい。郊外であっても、都心であってもよい。大学の種類も自由に想定してよい。自ら設定した環境に相応しく、次の時代を育てる「キャンパスにつくられる子どもスペース」の提案を期待している。

審査委員

審査委員長
仙田満(東京工業大学大学院教授)
審査委員
岡部憲明(神戸芸術工科大学教授)
鎌田元康(東京大学大学院教授)
小嶋一浩(CAtパートナー)
竹井秀雄(日本設計顧問)
中村光男(日建設計代表取締役社長)
大谷勉(東京ガス執行役員・都市エネルギー事業部長)
コーディネーター
馬場璋造(建築情報システム研究所代表)
審査委員紹介

(敬称略)

※こちらのページに表記されている各委員の所属・役職は当時のものになります。

最優秀賞(1作品)

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江崎岳史、矢倉芳美、飯島貴広、寺島雅樹、本山浩子(芝浦工業大学大学院)

優秀賞(3作品)

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    石原智(愛知県立芸術大学)

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    堤裕二、門田摂、家田秀和、石川学(大林組)

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    田中孝文、上野正也、加藤輝之、榎本玲央、池上知見、桧垣誠佑、生方洋子(関東学院大学大学院)

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