入賞作品

第22回 : 100m立方の環境ユニット

最優秀賞

最優秀賞

宮本裕也、海老原正則、高塚直樹、常橋明浩、加藤歩惟(首都大学東京大学院)

作品の全体を見る PDF(1.0MB)

COMMENTS

審査委員長 伊東豊雄
最優秀案となった宮本他4名案や優秀賞の新・百枝案は、自らの目線から都市を見ているという点で他の案よりも一歩抜きん出ていたが、いずれも私の期待に十分に応えていない。自らの着目したテーマを自らの問題と受け止める社会性を持ち得ていないからである。まるで他人事のように提案している。たとえば宮本他 4名案ではビルを水平に連結して環境をよくしようと考える。自立した建築を群として共存、共生させようという提案である。しかし連結の効果に関しても、また連結を可能にする根拠に関してもまったく考えられていない。
審査委員 新居千秋
建物同士の熱の移動など、なかなか図からは読み取りにくかったが、いろいろな案の中でいちばんよいと思った。100m角の中の熱の移動や、今は許可されていないが、一度使用した空気の室内における再利用の可能性を考えさせる案だと思った。
審査委員 可児才介
建築ストックの長期的再利用という観点や、新たなビル同士のネットワークで街全体の価値を上げる未来的な空中都市づくりという観点などで優れた発想であったが、そのスケール観や空気の共有という技術に対する認識の不足が気になる。
審査委員 川瀬貴晴
ビル間の空気循環をモチーフにしていて発想としては面白いが、私には、ビル間の空気のやり取りに積極的な意義を見出すことは難しいと思えた。
審査委員 塚本由晴
既存の都市空間や建築にとって異質な要素の導入によって安定した秩序を破壊し、そこから新たな秩序を立ち上げようとしていることは分かる。しかし、その異質要素の性質を理解する科学的な眼差しがないために、その潜在的な振る舞いやパフォーマンスを深く理解し、人間の生活にとって有意味な枠組みに位置付けること、すなわち建築的な秩序を生み出すまでには至っていない。そのため異質要素は既存秩序の破壊を象徴するにとどまっているところに問題があると感じた。そのため最優秀案を選ぶ際には大いに悩んだのだが、宮本他4名案は直感的にひとつの可能性をつかんでいるように感じられたのでこれを推した。
審査委員 六鹿正治
このコンペは単にアイデアを求めるだけでなく技術的追求も評価される稀有なコンペだ。優秀4作品は、アイデアとして見ればそれぞれ興味深い。ただしパネルに表現されていることと審査会で語られるコンセプトなどの間に若干のズレが感じられたし、このままでは世界は少しも変わらないかもしれない。奮起されたし。