入賞作品

第24回 : 地球に生きる

最優秀賞

最優秀賞

綿貫志野、戸内広太郎、安宅智洋、高橋雄太(株式会社久米設計)

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審査委員長 内藤 廣
ひと昔前にはどこの街にでもあった井戸、それが生み出した人と人の繋がりを、エネルギーの小さなターミナルによってつくり出そう、という提案です。コミュニティに対して、ちょっとロマンティック過ぎるかな、とは思いますが、見えないエネルギーを視覚化するアイデアは魅力的です。マクロなスマートグリッドの次は、こういうミニマルな展開なのかもしれません。
審査委員 尾崎 勝
最終審査に残った4作品は、課題の設定、情景の描出、工学的な着眼点のいずれにおいても高いレベルのものであった。中でも綿貫他3名案はエネルギーに「有難い」「もったいない」と思って接する意識から再出発して、かつての懐かしいコミュニティ、向こう三軒両隣を再構築しようとする生活感に根ざした作品。
審査委員 佐藤信孝
電柱をエネルギーの井戸に見立て、再生可能エネルギーを供給するなど新たな地域のライフラインとする提案だった。かつて、井戸が地域コミュニケーションの場であったように、このエネルギーの井戸を中心に30mの間隔で地産地消型のコミュニティが生まれるというアイデアが面白かったと思う。大規模インフラに支えられて、不自由のない生活を続けていると地球の資源を消費しながら生活が成り立っていることを忘れてしまいがちだが、自らエネルギーを汲みに行く行為により改めて資源の重要性を認識することができる。
審査委員 妹島和世
非常に身近な風景が描かれている。そこで提案されているどうやってエネルギーを節約するかという方法は、いろいろな自由があり、各自が使うエネルギー量を自覚でき、そしてそれぞれがエネルギーをつくることにも参加できるようになっている。とても未来的であると思った。そこに示されている絵とはまったく違うものになるのではないかと思うが、何か今私たちが生きている時代が提案できる未来の風景をつくることができるかもしれないと思った。
審査委員 山田幸夫
ノスタルジックな背景に“現代社会”を投映し、自然エネルギーを汲み出す電柱を崩壊した地域コミュニティの再生の表象としたきわめて奥行とテーマ性のある作品だ。
審査委員 松田明彦
環境を切り口に、建築側の視点で捉えた未来のライフラインのあり方を提唱し、まさに建築と設備と地球環境の3要素が巧みに組み込まれた作品であった。電柱を核としたエネルギーネットワークの広がり、多様性を持つ地産地消サイクルは、今後のエネルギー供給のあり方について新たな方向性を感じさせる。また、有事の際に強いライフスポットとなり得るなど、発展性があるアイデアであることも審査員の心を捉えたものと考える。