入賞作品

第26回 : 地球環境に住む建築作法

優秀賞

優秀賞

梯 誠、森本栄貴、Ho Van Ngoc、堀 裕輔、大前亮太、羽山拓也、加藤 大、中村佐和子、上野真理*(KAJIMA DESIGN/株式会社 アルモ設計*

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COMMENTS

審査委員 岡本慶一
川と橋の多い日本ならではの提案である。街と街に架ける橋をマイクロ水力発電や風力発電などを用いた分散型エネルギー源としつつ、人と人の繋がりを再構築していく知恵が評価された。橋が人工物としていずれ壊れるという前提に立った提案は目新しく、浮世絵のようなプレゼンテーションが魅力的である。
審査委員 田辺新一
日常と非日常の両方の提案が面白く、それは震災後のBCPに対する注目にも似ている。再生可能エネルギーシステムも夢に近いような提案だが興味深い。
審査委員 手塚貴晴
実に根源的なテーマを含んでいる。橋は流されてもよいという提案である。発表時間の大半を費やしてしまった怪しげな機械じかけに片目をつぶれば物事の本質を掴んでいる。発表者のひとりの故郷である四国には、沈下橋という素晴らしい土木遺産がある。橋というものは増水の影響を受けない高さに架け渡すべきものなので、当たり前に考えれば高いところに長々と架け渡されることになる。市街地の小さな河川ならまだしも、谷川や大きな河川の場合は大変である。1本の橋が100億円かかることもざらである。大きな橋が架かれば環境も一変する。その点沈下橋は実にささやかである。谷川の上に高々と構築される橋梁の1/100のコンクリートも使わない。長さは川幅分だけであるし、柱脚も短く柱間も近い。大増水で流されても簡単につくり直すことができる規模である。水の力に抗わず受け流すその流線形断面はエレガントでさえある。当然のことながら大増水時は渡れない。しかしそれでもよい、待てばよいのだという考え方である。最近「雨あがる」という映画を見た。雨があがるのを待つ間に剣客が仕官の口を得るという他愛ないストーリーなのであるが、その待つ間に実に原風景的な人間交流が形成される。待つことで得する場合もある。増水時に渡河を諦めるのはかつての日本文化であった。最新技術を無理やり使わなくとも、さりげなくも効果的な手法が世の中には溢れているように思うのであるが‥‥。
審査委員 日置 滋
橋そのものに発電などの環境性能を具備させる提案だが、建築作法とするにはコミュニティとの関係を論ずるなどのさらなる工夫がほしかった。
審査委員 松田明彦
あえて壊れるようにつくることで冗長性を高めるという面白い発想だった。社会全体のコストを抑制できるのであれば、インフラを持つ企業として考え方は大変参考になる。